「努力とカラクリ」の「受験生物語」をいいように押しつけられている。ここに中学受験の本質的な病理があるのである。今の中学受験生の悲劇は、かつてフィクションないしタテマエにすぎなかった高校、大学受験生のモーレツ勉強物語を塾と親によって「本当に」実行させられるハノになっていることである。しかも、この物語が、子どもの数の減少に危機感を抱く塾の商業主義によって、より低年齢層にまで広げられている。小学校低学年どころか、幼稚園や小学校受験にもその兆候は現れている。ちなみに、中学、高校進学情報誌の『進学ガイド』(東京ニュース通信社)という雑誌を見てみるとよい。そこには、体力も学力もごく普通という江川太郎君(仮名)という子どもの小学校三年からの中学受験の様子が「同時進行レポート」という形で毎号掲載されている。