短編や小説のデジタルカタログ版

2010-12-13

デビューして何年も経ち、そこそこ売れているが、新鮮味もない代わりにハズレもないくらいの立ち位置、企業でいえば、悲しき中間管理職といったところだ。新刊を出しても、大がかりなキャンペーンもやってもらえず、かといって新人でもない。彼はミステリーやホラーの作品をいくつも持つベテランともいえるキャリアの持ち主だが、小説を書き始めて一年以上、何百という出版社に出版を断られた末に2003年に大手ハイペリオンからデビューした過去がある。デビュー作がアンソニー賞やマカヴィティ賞にノミネートされながらも受賞せず、他にも今までいくつもの賞の最終候補に残っては受賞を逃しているクチ。そんなコンプレックスも手伝ってか、彼は過去にボツにされた短編や小説のデジタルカタログ版を自分で作り、キンドルにアップロードした。価格、表紙のデザイン、テキストについてもいろいろと実験を重ねた結果、1冊2〜3ドルにすれば一番効率がいい(=儲けが多い)ことなどJを発見し、その細かいプロセスをブログに書いている。デビューまでに多くの出版社にアプローチした経験から、「新人のための出版ガイド」と銘打ったブログもやっている。そしてとうとう試行錯誤の末、アマゾンのロゼッタに版権を移し、既存の出版社に頼らなくてもこんなに儲けられるぞ、という挑戦状を叩きつけた。将来はデジタルカタログ一筋で行くという。業界でもコンラスのケースは特殊だとしているし、新人が彼のマネをしても同じような成果が上がるとは思えないが、断られ続けた過去がモチベーションとなっている様子がうかがえる。