ある女性の学者が論文を執筆するために忙しく、子どもとの付き合いがおろそかになりそうになった。そこで、彼女は子どもが寂しさを感じないようにと、子どもにしじゅうテープで音楽やお話を聞かせてばかりいた。すると、その子どもが自閉症になってしまったというのである。幼児期にはとくに親は子どもとの有形無形の接触を密接にする必要があるのだが、核家族の夫婦、とくに共働きで子どもの面倒を両親がなかなか見られない状態にあると、子どもの精神的な成育に支障をきたしやすい。たしかに子どもと付き合うということは、とても大変なことだ。大人同士の付き合いでもストレスがたまる。それが、相手が人格の未熟な子どもなのだから、大人の側の精神的な疲労はいっそう大きい。それに、子どもと付き合うには体力も必要だ。だから。共働きで仕事で疲れた親にとって、家に帰って子どもと付き合うのは、どうしても面倒で、テレビなどの機械に相手をさせることになりがちである。