若い世代の人たちにも増えてきた子宮内膜症

2010-11-30

私たち医師は、月経痛や月経不順について、日常生活に支障があるような場合は医師に相談してほしいと考えています。中でも、ぜひ早めに医師の診察を受けてほしいのが、痛みに大きな変化が起きた場合、すなわち器質的な月経困難症の可能性が考えられる場合です。痛みの場所や強さが、いままでとくらべて明らかに異なる場合などは、「これは、いつもとちがうなあ」「ちょっと、変だわ」と気づくこともたやすいはずです。ところが、痛みの変化を「鎮痛剤の効力が落ちたせいだ」ととり違えてしまう人がいるので、要注意です。ときおり患者さんたちから、次のような話を耳にします。「鎮痛剤に慣れてしまって、飲んでも効かなくなってきた」「いままでは、1回2錠飲めば痛みが消えたのに、このごろは3錠くらい飲まないと効果がない」などなど。しかし、ふだんみなさんが飲んでいる鎮痛剤を含め、薬というものは、―力月に一度、数日間飲んだからといって、慣れてしまって効かなくなることは、まず考えられないのです。ですから、「薬が効かなくなった」「薬の量がいつの間にかふえている」という場合は、薬の効きめ以上のものが、おなかの中で起こっていると考えたほうがいいのです。では、おなかの中のでき事とは、どのようなものが考えられるでしょうか。まず、考えられるのが子宮内膜症です。これは、かつては成人の女性に多い病気でしたが、近年では若い世代、月経が順調になり始めた年代、すなわち思春期の後半にも見られるようになってきました。食生活の欧米化なども影響していると考えられます。子宮内膜症とは、子宮の内膜にある組織が、本来あるべきではない場所にどういうわけか迷い込んでしまい、その場所で卵巣からのホルモンの働きにより増殖し、出血します。子宮内腔以外の場所では、袋小路で排出する逃げ道がありません。そのために、月経時に強い痛みが起きるのです。