私は現役高3生の数Iの授業も担当している。私の授業でいつも一番前の席でニコニコしながら授業を聞いている生徒がいた。S・S君である。どうやら数学が一番の苦手のようである。私が演習問題の解説をしても、いつも「納得できないよ」という顔をしていた。私は「そのうちわかるようになる。そして解けるようになる。諦めないで最後までついて来い!最後までついてきた大学受験生は必ず合格するんだ!」と言って激励していた。S・S君は最後の最後まで授業に出席していた。センターが終わってから私は『二次対策数学』も4〜5回担当したが、彼はいつものようにニコニコ笑って授業を受けていた。ある日、私は四ツ谷学院の英語と国語を担当する先生にS・S君の英語と国語の二次の学力を聞いてみた。先生方は口を揃えて、英語・国語とも一流の学力であると言う。大変な驚きだった。それなら数学で一点でも多く得点できれば彼の希望する東北大は合格できると思った。文学部でも東北大のように帝大の場合は数学の出来不出来が合否を左右する。私は、自分で必ず答案の採点をする。そうすることによって生徒の学力や苦手な分野がよくわかる。