日本のものは安かろう悪かろうのイメージ

2010-12-20

当時、アメリカでは日本のものは安かろう悪かろうのイメージで売られていた。これではダメだ、このイメージを何とか変えなくちゃ、と今から考えれば馬鹿みたいなものだけれど、そんな意気込みもあった。だから背伸びをして、自分はアメリカのマーケットの高級なところから出発したいと挑戦したのだ。ニューヨークに住んでいた友人たちは「大変だよ。失敗すると大変だよ」と心配してくれたところを、私たち夫婦は「でも、やろうじゃないか」とスタートしたわけだから、「よかった」という気持ちでいっぱいだった。同時にこれからが大変だと思ったけれども、自分の道が決まったという感じがうれしかった。ショーの終了後、ミスター・マーカスが楽屋にやって来た。「日本の洋服はフィットが悪いと聞いている。アメリカ人はみんな体が丸くて、日本人とはプロポーションが違うから、フィットはとても大事だ。ウチのような一流のデパートではまだ日本製品は扱ったことがない。今日見たあなたの洋服はとても美しくて新鮮だけれど、それがアメリカで商品として通用するかどうかはわからない。しかし、妻のために何枚かオーダーしよう」といって、スーツやイブニングドレスを決めて下さった。